「私の太陽」
※とても素敵なOSTの記事と、3rdライブへ向けたタグを作ってくれた生春さんに、最上級の感謝と敬愛を込めて、この記事を贈ります。
「ラブライブ!サンシャイン!!」2期で頻繁に流れる『起こそうキセキを!』のメロディー。「トリスのメモ帳」の生春さんは、これを「2期の裏メインテーマ」と呼んでいます。
3rdライブが「2期の物語」なら、このメロディーは「3rdライブの裏メインテーマ」にもなることでしょう。
詳細は生春さんの「トリスのメモ帳(41)」に動画付きでまとめられているので、見ていない方は是非。
2期1話、冒頭の『夢を飛ぶ紙飛行機』からはじまり、
2期13話、後半に流れる『私たちの輝きはそこに』まで。
このメロディーは少しずつ姿を変えながら、アニメ2期の物語をずっとキャラクターに寄り添い、一緒に走り抜けてくれます。「2期の裏メインテーマ」と呼ばれるのはそのためです。
なにより、2期最終巻の特典曲である「キセキヒカル」がこのメロディーであることからも、その重要さが分かります。
そしてこのメロディーはいつも、千歌が「探しているもの」に向かって手を伸ばし、走って、追い求めるような場面で聞こえはじめます。
そしていつも、メロディーが終わるタイミングでその「探しているもの」が大きく画面に映し出されてきました。
2-1「ネクストステップ」
それは「太陽」からはじまり、
2-3「虹」
何度も諦めそうになりながら、それでも走り続けたときには「虹」に姿を変え、
2-10「シャイニーを探して」
星に願い事をするために車で走ったときには「星空」と「月」に姿を変え、
2-12「光の海」
「光の海」に飛び込む直前には、「サンシャイン!!」の掛け声と共にはじめと同じ「太陽」に姿を戻しました。
上の画像を見ただけで「あのメロディーが終わる音」が聞こえる人には、何も言うことはありません。聞こえない人は、できればもう一度本編を見てもらえたら嬉しいです。
つまり、「あのメロディー」が終わるときに画面に映されているものが、「千歌たちが探していたものの象徴」になっているということです。
視聴動画時点の話ではありますが、「あのメロディー」と同じ「キセキヒカル」の終わりのフレーズが「見上げれば 熱い太陽」となっていることから、「この曲が終わるときに太陽がある」ということは、映像だけでなく「歌詞という言葉」でも示されています。
さて、この「太陽」という象徴は何なのでしょうか?
遠すぎて、手の届かないもの?憧れの対象?
遠くても、手が届かなくても、自分たちを照らしてくれるもの?
その答えは、「千歌にとっての太陽」の正体は、最終話でしっかりと描かれています。
最終話、後半。
彼女たちの物語を締めくくる終盤で、さいごの「あのメロディー」が流れます。
後半がはじまってすぐ、千歌が紙飛行機を飛ばすところから体育館のラストライブ直前まで続く、長い長いメロディーです。
ついに飛ばすことができた紙飛行機を追いかける千歌。
学校にたどり着き、「みんなの声」に導かれて屋上まで登り紙飛行機を見つけた千歌は、「みんな」を思い出し、たったひとりで泣き出してしまいます。
学校まで紙飛行機を追いかけてきたので、「千歌にとっての太陽」は「紙飛行機」だったのでしょうか?
違います。「あのメロディー」はまだ終わっていません。
ほそく、ゆっくりと続く「あのメロディー」の中、再び「みんなの声」が聞こえた千歌は立ち上がり、体育館に向かいます。
まるで、屋上で止まってしまった紙飛行機の代わりに「あのメロディー」が 千歌の手を引っ張ってくれているかのように。
その先の体育館で、千歌を待っていたものは何でしたか?
長い長い「あのメロディー」は、ようやくこの体育館で終わります。千歌を体育館へ導き、「さいごの役目」を終えた「あのメロディー」は、ゆっくりとやさしく消えていきます。
そのとき、千歌の目に映っていたものは何でしたか?
千歌がずっと追い続けていた「太陽」のその正体は、
千歌が手を伸ばして、ずっと探していた「私の太陽」は、
「Aqoursのみんな」だったのです。
いつも手を伸ばしても届かないと思っていた「太陽」は、「はじめからあって」、「もう届いていた」んです。
あがいてあがいて、あがきまくって、やっとたどり着いた「私の太陽」は「一緒に夢を追いかけてきた仲間たち」だったのです。
劇伴として視聴者だけに聞こえる「あのメロディー」が 、それを教えてくれているのです。
いえ、「キセキヒカル」という楽曲の存在がある今、「あのメロディー」は彼女たちにも聞こえていたのかもしれません。
確かに、「2期1話と2期13話の紙飛行機の対比」や「輝きははじめからあった」という千歌のセリフ、そして「この作品全体を覆うメッセージ」から考えれば、やや強引にこの解釈に至ることは可能です。でもどうしても決め手に欠けるんです。紙飛行機なんかは屋上で止まっていますしね。
そこで決め手となるのが、劇伴なのです。
「屋上」で止まっていた紙飛行機を「体育館」まで運んでくれるのは、劇伴の存在なのです。
そんな「劇伴の存在」を教えてくれたのは、生春さんです。
他の人の解釈を無視せず、否定せずに受け入れることで、こんなにも素敵な解釈にたどり着くことができる。
それを教えてくれたのは、私のまわりにいる「同じ作品を好きになった人たち」でした。
この1話と13話の「劇伴の対比」は、「いつも手を伸ばしてきた太陽が、逆に私に手を伸ばし返してくれた」という描写に見えます。
そして千歌は、やっとたどり着いた「私の太陽」たちと一緒に劇中で最後の歌を歌います。
曲名は「WONDERFUL STORIES」です。
いつもいつも追いかけてきた
届きそうで届かない未来を
だからだから君に会えたよ
一緒にいてくれてありがとう
高海千歌から「私の太陽」へ。
一緒にいてくれて、ありがとう。
3rdライブ「WONDERFUL STORIES」は明後日からはじまります。
ラブライブ!サンシャイン!! 2期の裏メインテーマである『起こそうキセキを!』のメロディー。
3rdライブが「2期の物語」なら、3rdライブの裏メインテーマも同じ『起こそうキセキを!』のメロディーになることでしょう。
あなたにとっての「太陽」は何ですか?
あなたが手を伸ばし、憧れている人?
気付けばあなたのそばにいる人?
あなたが憧れているのは、伊波杏樹さんのような、演者の方々かもしれません。
あなたのそばにいるのは、3rdに一緒に参加する、同じ作品を好きになった人たちかもしれません。
そんなたくさんの「太陽」と一緒に作り上げる空間と時間を最高のものにできたら、そんな「太陽の光の海」の中で輝けたら、それはあなたの人生の中でかけがえのない瞬間になると思いませんか?
そんな「かけがえのない瞬間」はもう目の前です。
光の海の中で、一緒に。
とても素敵なOSTの記事と、3rdライブへ向けたタグを作ってくれた生春さんに、最上級の感謝と敬愛を込めて。
「私の太陽」は、あなたたちです。